
子どもの頃、自然の中で遊んだ記憶がある人も多いだろう。大人になって自然の景色に癒やされたり、自然の恵みをビジネスに生かしたりした経験もあるかもしれない。しかし今、温暖化などの影響で世界の環境は激変。日本でも絶滅の危機にある生き物は3700種に及んでいる。
目の前にある豊かな海は、人間の小さな活動くらいすぐに浄化してくれるように感じるかもしれないが、残念ながらそれももう限界だ。日本で埋め立てられていない浅瀬は稀になり、全国各地で砂浜がやせ細り、魚の漁獲量も激減。海の風景も食卓も大きく変化しつつある。確かに、一人の力でこれを食い止めるのは難しい。だからこそ、覚えておいてもらいたいのが、日本自然保護協会への遺贈寄付という選択肢だ。
遺贈寄付とは、財産を社会貢献に役立てたいという思いを遺言で残すこと。元気なうちに資産の活用先を決める方法として、遺言での遺贈寄付を考える人が増えている。日本はもともと自然に恵まれていただけに、自然を開発から守らなければいけないという意識が薄く、守る制度も乏しかった。そのため、白神山地などの貴重な自然をユネスコの世界遺産に登録するよう提言し、保全活動を推進してきたのが日本自然保護協会だ。
最近の話題を挙げれば、再生可能エネルギーとして注目の風力発電。需要に押されて乱立させると、逆に自然に対し甚大な被害を与えかねない。発電に必要な風通しの良い尾根や海岸は、ワシやタカなどの繁殖地や渡り鳥のルートと重なることも多く慎重な調査が必要なのだ。日本自然保護協会では、風力発電建設予定地に関する調査も積極的に取り組む。
生き物を絶滅から救うためには、現在の生息数を調べる必要があるが、日本ではそうした調査にも国の予算が乏しく、各地のボランティアや日本自然保護協会の活動に支えられてきたケースがほとんどだ。米軍の基地建設が進む辺野古の海は大丈夫なのかと心配しても、なかなか個人で活動するほどの知識と時間がある人は少ないだろう。
しかし、全国にスタッフや専門家、ボランティアを派遣し、独自の調査研究や環境教育、政策への提言を行ってきた日本自然保護協会なら、そんな思いを代弁し、活動に生かすことができる。大切なお金を、世界のどこかの自然ではなく、子どもの頃から愛してきた日本の自然を守ることに使うことができるのだ。
日本自然保護協会への寄付は、所得税・相続税・法人税の税制優遇の対象となる。土地建物や有価証券のままでの寄付や包括遺贈、相続人不存在に備えた予備的遺言などの相談にも応じている。親子世代で参加できる無料のオンライン終活セミナーなども開催しているので、興味があれば選択肢の一つとして一度参加してみてはいかがだろうか。
もちろん自然だけでなく、理想は人と自然がともにある豊かな社会をつくること。幼少時代から心身を育んでくれた日本の自然への恩返しを、これからの子どもたちのためにもぜひ検討してもらいたい。
オンライン終活セミナー「親と話そう!幸せになる終活」
日時●12月7日(水)14:00 ~ 16:00
会場●ZOOMによるオンライン(参加費無料)
講師●司法書士・三浦美樹氏(日本承継寄付協会代表理事、全国レガシーギフト協会理事)
参加申込●詳細ページの参加申込フォームからの申込、または終活寄付担当宛メール(memory@nacsj.or.jp)にて、件名「12月終活セミナー申込」とし、ご住所、お名前、年齢、電話番号をご記入のうえお申し込みください。締め切りは12月6日13:00まで。
主催●日本自然保護協会、日本対がん協会、フローレンス、全国こども食堂支援センター・むすびえジャパン
協力●遺贈寄附推進機構
●日本自然保護協会 TEL03-3553-4101(代表)