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良い建築とは本来、愛着を持って使い続けることで味わいが増し、美しくなっていくものだ。欧米ではその考え方が浸透しており、築年数を経た住まいにメンテナンスを加えながら、世代を超えて住み継がれている家も多くある。しかし日本においては、住まいは新しいほど価値が高いと考えられ、スクラップ&ビルドを繰り返してきた。世代ごとに住まいを購入するため、いつまでも住宅ローンを抱えることになり、暮らしはなかなか豊かにならないのが現状だ。
そんな中、日本の暮らしをより豊かにしたいとの思いから、約20年前に生まれたのが、日本オーガニックアーキテクチャーが運営する住宅ブランドである「オーガニックハウス®」だ。

同ブランドは、アメリカの建築家、フランク・ロイド・ライトが100年ほど前に手掛けた住まいが、どれもいまだにモダンで美しく、愛され続けていることに注目し、「もし、ライトが現代の日本で住宅を設計したら……」という視点でプロジェクトをスタート。ライトの建築物を保護し、後世に伝える活動を行っているフランク・ロイド・ライト財団とライセンス契約を結び、ライトの愛弟子を始め、その系譜を受け継ぐ建築家たちから直接指導を受け、彼が生涯をかけて提唱した「有機的建築」、その普遍的な理念を追求しながら、同時に最新のテクノロジーを用いて日本のライフスタイルに合う住まいを完成させる。現在、ライトの理念に沿ってゼロから住宅を作ることができるライセンスは、世界で唯一、日本のオーガニックハウス®だけの特別なものとなっている。
ライトが提唱した有機的建築とは、周囲の自然や環境に溶け込むと同時に、住み手の感性も満足させるようデザインされた建築のこと。ライトは貝殻を自然界に存在する家の例に挙げ、無駄なく環境に適合し、流行とは関係なく時を経ても美しさを備えている、これこそが偉大な建築様式だと弟子たちに教えた。そして、「普遍的な形である自然の姿に学び、建物が環境と溶け合いながら、住む人にもフィットするようにデザインすること」の重要性を唱え続けたという。
その思いを受け継ぐオーガニックハウス®では、自然に抱かれているような居心地の良さを毎日の暮らしのなかで感じられる住まいを提案。街並みや環境に溶け込み、伸びやかに広がる水平ラインや、流れるようにつながるドラマチックな空間構成、常に屋外とのつながりが感じられる開放感がありながらヒューマンスケール(人体サイズ)に基づいた落ち着ける室内。光と影の表情が美しい自然光の取り入れ方、適材適所な素材の使い分けなどにより、安らぎのある真に心地良い住まいを生み出している。単に美しく見せるだけでなく、機能性も兼ね備えた装飾は、建物全体がひとつの生命体であるかのような一体化をもたらし、そこにはライトの建築における普遍の真髄が息づいている。すべてのオーナーには、その揺るぎない価値の証しとして、邸宅ごとに付与される固有のシリアルナンバーを記したオーナーズプレートと認定証が進呈される。
また、オーガニックハウス®が特に大切にしているのは、ライトが手掛けた建物を単に再現することではなく、その理念を受け継ぎながらも、現代の日本の環境やライフスタイルに的確に合わせた住まいを作ること。地域の独自性を大切にすることは、自然や環境との調和を重んじたライトの思いそのものでもある。
現在、フランク・ロイド・ライト財団に認定された高い技術を誇るフレンドシップメンバーは、北海道から沖縄まで100店舗以上にものぼる。ライトの設計手法を全国のフレンドシップメンバーが身につけるのは難しいのではないかと思われがちだが、本部となる日本オーガニックアーキテクチャーがサポートを徹底し、ブランドコンセプトを共有。それぞれのフレンドシップメンバーがライトの理念に沿って、一邸一邸、丁寧に設計から施工、管理まで一貫して行うことで、豪雪地、台風が多い土地、海辺、山地など、地方特有の気候条件や文化を落とし込んだ、快適で美しい住まいが実現可能となる。
柔らかな光や風が感じられ、トレンドに左右されることなく、日々の暮らしに安らぎを与えてくれるオーガニックハウス®。そこで刻まれる家族の歴史は唯一無二のものであり、歴史とともに揺るがない価値を持つ住まいを次世代に受け継ぐことができれば、より豊かで幸せな暮らしが実現するだろう。
●オーガニックハウス TEL052-225-7625