
1976年のファーストモデルから30周年に当たる2006年に登場したステンレススチール製の「ノーチラス5711/1A」が、2021年をもってパテック フィリップのカタログから姿を消した。この事実は、多くの時計愛好家のため息を誘い、同時に次なる「ノーチラス」への期待を高めることとなった。今春の新作時計エキシビション、ウォッチズ&ワンダーズ2022で、パテック フィリップから「ノーチラス」の新作の発表がなかったことも、待望の声を広げたかもしれない。

その答えがついに届いた。10月18日、新生「ノーチラス5811/1」がベールを脱いだのだ。ケースとブレスレットはホワイトゴールド製。1976年のオリジナルモデルをオマージュし、3ピース構造のケースから、初号機で採用されていた2ピース構造に改められた。1㎜サイズアップし、直径41㎜となった一方、厚さは8.2㎜とより薄型化が実現されている。ムーブメントは、基幹的な存在というべきキャリバー 26-330 S Cを前モデルから継続して搭載。ブレスレットには、特許を取得した安全性の高い折り畳み式バックルと、長さの調節が可能な新しいロック機構システムが採用されている。
中央部のブルーから、外周部に向かって濃くなるブラック・グラデーションのブルー・ソレイユ文字盤は、落ち着きのある洗練された雰囲気を醸し出す。ホワイトルミナスコーティングが施された丸みを帯びたバトンスタイルの時分針とアワーマーカーもホワイトゴールド製。3時位置のデイト表示も、ホワイトゴールド製の枠で囲われ、ノーチラス40周年に当たる2016年に開発された「40周年」フォントを採用し、さりげなくアクセントを添えている。
また、デイト、ムーンフェイズ、パワーリザーブ表示を備えたコンプリケーションタイプでは、ローズゴールド仕様の「5712/1」が新たに登場した。ローズゴールドに呼応するブラック・グラデーションのブラウン・ソレイユ文字盤を備え、エレガントにしてプレステージ感にあふれるモデルとなっている。

(左)待望の「ノーチラス」のニューバージョン。ホワイトゴールドならではの心地よい重量感も、身に着ける満足感を味わわせてくれる。「ノーチラス5811/1」自動巻き、ケース径41㎜(10-4時位置)、WGケース×WGブレスレット、12気圧防水、9,383,000円。
ジュエリーをセッティングした女性用の「アクアノート・ルーチェ《レインボー》クロノグラフ7968/300」も発表された。初の自動巻き婦人用クロノグラフで、アクアノート・パターンを刻み立体感に富んだホワイト・マザオブパール文字盤の6時位置に分積算計と、センターからのクロノグラフ秒針を備える。ベゼルは、「インビジブル・セッティング」によって内側にバゲットカット・ダイヤモンド、外側にはカラーサファイアがレインボーグラデーションを描く、2列に配置された仕様となっている。アワーマーカーにも、ベゼルと色調をそろえたサファイアがセットされており、ラグジュアリーでありつつ、スポーティーで躍動的な魅力を放っている。
新たなる伝説の幕開けにふさわしい「ノーチラス」を始め、今回の新作はいずれも期待を裏切らない出来栄えと言うほかない。
●パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター
TEL03-3255-8109 www.patek.com