マラッカ海峡で、コロニアル・エレガンスの休日

ザ・サンチャヤ(インドネシア)

January 6, 2023
January 19, 2023 Last modified

マラッカ海峡東部、ビンタン島に隠された、贅沢な古き良き風情を再現したリゾート。それは、優雅なコロニアル時代へのタイムトリップ…

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マレー半島とスマトラ島(インドネシア)を隔てるマラッカ海峡。中国とインドを結ぶ交易航路の中継地として、3世紀頃から栄えたビンタン島。島は海賊の巣窟ともなる一方、航路の要衝地として、周辺王国が争奪を繰り返した。16世紀にポルトガルが侵攻するまではマラッカ王国が支配、一時はその王都も置かれた。
 
ヨーロッパの列強が東南アジアへの香辛料を求めた大航海時代、クローブ、ナツメグ、カルダモン、シナモン…そして、胡椒が積み込まれた。香辛料交易のために東インド(当時はインドネシアのこと)会社を創業したオランダは、20世紀初頭にビンタン島も植民地下に。
 
そして、1945年に独立、対岸約50kmに位置するシンガポールの経済協力で20世紀末から島北部でリゾート開発が進められてきた。今ではビーチだけでなく有数ゴルフ場などを備えた一大リゾート地となった。が、残念なことに、シンガポールの様なコロニアル風情はほとんど残されていない。

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その例外が、10haの広大なビーチ・フロントの敷地に佇むザ・サンチャヤだ。シンガポールに多いブリティッシュ・ヴィクトリアン・コロニアル建築を、瀟洒なリゾート風に再現。重厚なエントランスを入ると、瑞々しい熱帯雨林の並木が中庭へと導く。中央には、19世紀には豊穣を意味したパイナップルのモチーフがたっている。
 
その奥に繊細な細工を施した、優雅な白亜の木造建築に迎えられる。ロビーの向こうに、眩いばかりの白浜と紺碧の水平線。心地よい海風と花々の香りに運ばれるように、芝地を抜けてヴィラに向かう。本館のスィート17室とヴィラ29棟が、緑豊かなゆったりとした敷地に点在する。

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吟味されたクラシックな家具と調度品。ヨーロッパ伝統の食器類、極上の肌触りのタオルやバス・ローブ。絹のようなきめ細かいエジプト綿シーツ。一方、テレビや音響などは最新の設備が。バティックの装いのスタッフが、随時細やかな心遣いで対応してくれる。

目の前に広がるプライベート・ビーチでは、希望に応じて遊び道具を各種用意してくれる。ビーチでのピクニックやプライベート・ダイニングも。プールサイドやビーチで寛いでいると、飲み物やスナック、冷たいタオルなどが入ったバスケットがさりげなく届けられる。

古き良き時代を彷彿させるバーは伝説のカクテルが、ダイニングでは和牛ステーキが、プールサイドのカフェでは洗練されたタイの屋台料理が人気だ。ワインセラー、ライブラリー、スパ、ヨガ・パビリオンやジム、全ての施設にヴィクトリア・コロニアルのタッチが。

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シンガポール在住のヨーロッパ人富豪が、コロニアルなヨーロッパのサロンをイメージして、施設やサービスに妥協することなく、自分の別荘のように創り上げたという。プリファド ホテルズ&リゾーツに加盟しているが、ホテル・チェーンには属せず、世界で一つだけのオリジナルなホテルだ。

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ビンタン島の港に独自の出入国ターミナルとプライベートラウンジを持つのもこのホテルだけ。ラウンジでのんびりと寛いで出入港できる。シンがポールとは高速船で僅か50分の旅は、今は失われた、コロニアル時代の富豪たちのマラッカ海峡での休日へのタイムトリップ。ホテルだけで過ごしていたのに、随分と豊かな遠い旅をした気分になっていた。

●The Sanchaya Member of Preferred Hotels & Resorts
https://www.thesanchaya.com/

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