今、乗るべき車

February 1, 2020 Text Ryousuke Kitamori
June 24, 2022 Last modified

ロータス ヨーロッパS LX

Europa 225 (LX)
Europa 225 (LX)
エンジン:直列4気筒DOHC ターボチャージャー付き/排気量:1998cc
最高出力165kw(225ps) / 5750rpm/最大トルク: 287Nm(29.3kg) / 4500rpm

スポーツカーやグランドツアラー、あるいはスポーティーサルーンでもいい。多くのラグジュアリーモデルは パワーを誇示し、エンジンが大きくなる傾向がある。しかしロータス・ヨーロッパSは違う。その対極に位置する 軽量、小排気量のクーペだ。

ロータスといえば、かつては日本人初のF1ドライバーを迎え入れたチームを持ち、 ホンダF1エンジンが築いた黄金期の一翼を担っていたメーカー。純粋なスポーツカーを作らせれば右に出る ものがない。創立から今日まで、エンジンを他社からの供給でのみ賄うことで、そのぶん車体の開発に専念し、 素晴らしいハンドリングを持つスポーツカーを次々と送り出してきた。まさにF1のやり方である。

その文法に則り、オペルの2リッターターボエンジンを搭載したクーペがロータス・ヨーロッパS、そしてそのラグジュアリー モデルがヨーロッパS-LXである。

スピーディに意のままに、快適に動ける

  • 今、乗るべき車 今、乗るべき車
    インテリアは高級レザーが奢られ、シフトノブにはユリノキ、クルミ材が用いられる。トランクルームもレザーで覆われ、荷物を固定するストラップやレザー製小物収納バッグなどを装備。
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    インテリアは高級レザーが奢られ、シフトノブにはユリノキ、クルミ材が用いられる。トランクルームもレザーで覆われ、荷物を固定するストラップやレザー製小物収納バッグなどを装備。
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現在ロータスでラインナップされている車種、エリーゼと エキシージはワインディングロードやサーキットラン専用 と思われるほどにタイトで、サスペンションやシートなど乗 り心地に関わるものすべてが固い。乗りこむときにも、ドア 開口部にある高々としたサイドシルを跨ぎ、狭く低い開口 部に潜るように身を滑りこませなければならない。日常で 使うにはタフな精神と肉体が必要だ。

一方、ヨーロッパSは ベースとなるフレームこそエリーゼに由来するものの、全体によりマイルド。一番大きな違いはドア下のサイドシルで、低くなり、乗り降りがだいぶ楽になった。これでロータスのネガな要素は半分以上解消されたようなものだ。LXならばインテリアもレザーで覆われ、ドライバーに寛ぎを与えてくれる。磨かれた機能と快適性をも手にしたヨーロッパS LXは地上のビジネスジェットといえないだろうか。速く、快適に、そしてパーソナルに移動できる最上のビジネスツー ルであると。

優れた機動力はビジネスシーンの味方に

Europa 225 (LX)
Europa 225 (LX)
エンジン:直列4気筒DOHC ターボチャージャー付き/排気量:1998cc
最高出力165kw(225ps) / 5750rpm/最大トルク: 287Nm(29.3kg) / 4500rpm

多くのスポーツカーは速さのために、まずエンジンを大きくする。しかしロータスはその対極、軽さを第一に選ぶ。車重わずか1t。馬力あたりの荷重は5kgを切る。これだけで同価格帯のスポーツカーの多くを抜き去 ることが可能だ。ましてや日本においては600馬力が生み出すハイスピードよりも瞬発力のほうが役に立つ。

そして軽さが生み出すのは運動性能だけではない。ヨーロッパSはその加速力にありえないほどの低燃費 を誇り、どこまでも無駄がない。むろん、ラグジュアリーな車にゆったりと身をまかせるのもいい。が、ビジネ スツールであるならば、威圧感も華美な装飾も必要ない。手に余る高性能はむしろ無駄ともなりかねない。

ヨーロッパSの潔いまでのシンプルさと高機動力、そしてLXのほどよい快適さ。スピーディにスマートに事を運びたいビジネスシーンで、おおいに力を発揮するはずである。

※『Nile’s NILE』に掲載した記事をWEB用に編集し再掲載しています

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