
海にせり出したテラスで風を感じながらコバルトブルーの海を眺める。
眼下には約760メートルの砂浜が輝く。名護市の部瀬名岬に位置する「ザ・ブセナテラス」は、1997年オープンという沖縄ラグジュアリーリゾートの草分け的存在だからこその、極上のロケーションが魅力。ここでなければ沖縄に来た気がしない―そう言って何度も訪れるゲストも多い、唯一無二のリゾートだ。

4月からは、これまでのマリンリゾートとは一線を画した大人の海遊びが楽しめるようになる。
45フィート(13・96メートル)の大きさを誇る、3ベッドルームとキッチンを備えた新クルーザー「オーシャンズブリーズ号」が新たに導入されるのだ。
「海遊びといっても、若い頃とは違ってあくせくと動いて体力を使うことはしたくない。それより、自分のペースで自由に、深く海を感じていたい」という人は、ぜひこの大型カタマランヨットを半日チャーターし、美しい海をゆったりと堪能してほしい。
乗船してからの過ごし方はお好み次第。たとえば、部瀬名岬の沖合いや、鮮やかなサンゴ礁に彩られる水納島(みんなじま)の海へ。開放感あふれる船内でホテルメイドのランチを楽しんだ後は、シャンパングラスを傾けながら読書をしたり、ベッドで心地良く昼寝をしたり。何をするでもなく、青い海の上で誰にも邪魔されずにプライベートに過ごす贅沢な時間が、波のように静かに、身も心も満たしていく。
船から帰っても、海遊びは終わらない。夕食には敷地内で海に最も近いシーフードマーケット「ランブルフィッシュ」で、カウンターに並べられた鮮魚や貝類を自由に選び、シンプルなグリルで味わう。
食後は潮風が流れるファンパブ「シュガーケイン」に立ち寄れば、オリジナルカクテルを手に、生演奏と緩やかにふける沖縄の夜を満喫できる。
宿泊は18室のみ用意されたスイートタイプのコテージへ。岬の高台に並ぶ静かな空間で、潮騒に包まれながら眠りにつく。

滞在中には、昨夏から「ザ・ブセナテラス」を始め、ザ・テラスホテルズの四つのホテルでのみ取り扱っているコルシカ島生まれのスキンケアブランド「NUCCA(ヌカ)」のトリートメントメニューを堪能したい。
コルシカ島の五つ星ホテル「グランド・ホテル・ド・カラロッサ」のオーナー姉妹によって生み出された、同ホテル以外では世界初登場となるブランドだ。
コルシカ島に生息する100種類以上の植物から抽出されたミネラル成分豊富な粧材を惜しみなく使ったトリートメントは、ハーバルフラワーの香りを楽しむことから始まる繊細な手技が、まるで一つのストーリーを紡いでいるよう。エイジングケアが期待できるフェイシャル、ややスモーキーで鮮烈な香りのオイルで全身を活性化させながら行うボディケアなど、ここでしか味わえない至福の時間を満喫したい。
●ザ・ブセナテラス TEL0980-51-1333

那覇市内で滞在するなら、那覇空港から車で約20分の「ザ・ナハテラス」へ。首里城を始め、県立美術館・博物館や沖縄の焼き物、やちむんが見られる壺つぼ屋や やちむん通りなど、主要な観光地にもアクセスがいい、沖縄文化の中心地に位置する優れたロケーションが特徴だ。
どこにいても光や風が感じられる心地良いオープンエアの空間は「ザ・ブセナテラス」とも共通するが、よりスタイリッシュで都会的な印象の「ザ・ナハテラス」。沖縄の明るい空の下、車を降りてロビーに入ると、照明を抑えた空間の中で、ぽっと明かりが灯ともるように咲くカサブランカの白い花に吸い寄せられる。そのやさしい香りに、思わずほっと息をつく―そんな主張し過ぎない、心の行き届いた控えめなもてなしが、那覇での滞在を特別なものにしてくれる。
この「ザ・ナハテラス」に今、地元の人々の間でも話題のレストランがある。昨年12月12日にオープンしたアネックス棟の3階にあるタパス&チャコールグリル「ラ・シマ」だ。
天井の高い明るく開放的な空間は、料理とワインをテーブルいっぱいに並べ、会話と食事を楽しむゲストたちの楽しい雰囲気に満ちている。
人気の理由はスペインから取り寄せた、400度の高温で一気に調理するジョスパーチャコールオーブンを使った料理だ。沖縄県産を始めとする肉や野菜の水分を逃がさず、香りよく焼き上げる。グリルしただけの島にんじんや紅芋の自然な甘みに驚き、岩塩で食べるLボーングリルのさっぱりとした肉の旨みを最後まで堪能する。カジュアルでありながら、素材の持ち味を最大限に引き出したおいしい料理の数々。これまでの那覇にはない、新しい時代を感じさせるレストランの登場だ。

アネックス棟にはこの他、2階に宮古島産大福牛を提供する鉄板焼レストラン「龍潭(りゅうたん)」がリニューアル。洗練されたファッションアイテムが集まるインポートセレクトショップ「ロージャース・フラッグシップナハ」もオープンし、宿泊中のゲストの買い物に重宝されているという。1階には滞在中でも快適にワークアウトが行えるよう、宿泊者用ジムルームも用意されている。
さらに3月には、クラブレジデンスの供用がスタート。2~4階が1カ月単位の賃貸サービスアパートメントで、隣接する「ザ・ナハテラス」のサービス(一部有料)も利用することができる。

さまざまな新施設が追加されたことで、ビジネスや観光の拠点としての短期間の宿泊から、1カ月単位の〝暮らす〟ような滞在まで、多様なスタイルが可能になった「ザ・ナハテラス」。その存在が、那覇で過ごす時間そのものを、より多彩で魅力的にしてくれる。沖縄の自然へとつながる広いテラスとオープンエアな空間が、おのずと亜熱帯の南国都市らしい開放感を醸し出し、洗練されたもてなしと相まって、心から満足させてくれるのだ。那覇の心地良い空気を感じながら、ゆったりと至福のひとときを過ごしてほしい。
●ザ・ナハテラス TEL098-864-1111
※『Nile’s NILE』2020年3月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています