地上のビジネス ジェット

April 26, 2022 Photo TONY TANIUCHI Text Yoshio Fujiwara

アメリカを象徴するラグジュアリーブランドであるキャデラック。そのSUVモデルとして人気を博してきたエスカレードが5代目に進化。上質さ、華やかさに、逞しさも兼ね備えた新型エスカレードは、季節や場所を問わずに快適な移動を約束する、頼もしいパートナーとなってくれるはずだ。

キャデラック・エスカレード
5代目へと進化を遂げたキャデラック・エスカレード。マルチリンク式リアサスペンションとマグネティックライドコントールにより、あらゆるシーンで優れた乗り心地を提供する。

都内の喧騒を離れ、東北自動車道をひたすら北上する。ゆったりと2時間ほど走ると、 車窓から見える周りの木々が少しずつ色づき始め、遠くに見える山々が赤や黄色に染まって見える。そしていろは坂をのぼって中禅寺湖で一息つき、お気に入りの宿の温泉で疲れを癒やす……。

そんなショートトリップで頼もしい相棒になってくれるのが、キャデラック エスカレードだ。

キャデラック エスカレードというと、どうしてもアメリカ大統領の車列と共に走る護衛車のような“いかつい”イメージが先行しがちだが、そもそもキャデラックというブランドは、世界屈指の高級車ブランドであるとともに、1902年の設立以来セルモーターやV8エンジン、前輪ダブルウィッシュボーン・サスペンション、パワーステアリング、マグネット・セレクティブ・ライド・コントロールなどを率先して投入してきた先駆者的な存在であった。

また48年に登場したシリーズ62で、戦闘機の尾翼をモチーフとしたリアデザインを採用し、テールフィン・ブームの火付け役になったトレンドセッターとしての顔も持っている。

そんなキャデラックブランド初のSUVとして99年に登場したエスカレードもまた、名実ともにアメリカン・ラグジュアリーSUVシーンを牽引してきたトップランナーというべき存在である。

2021年、シャシーを一新した5代目のエスカレードが日本に上陸。

ボディーサイズは全長5400㎜、全幅2065㎜、全高1930㎜と先代モデルよりも二回り近く大きくなった。あわせて大きなグリルとLED製のライトを配したフロントマスクは押し出しも強く、別格の存在感を備えている。

特にこの「スポーツ」モデルはフロントのメッシュグリルやドアモールなど全てをブラックアウトしたことにより迫力のあるアピアランスとなっている。

室内
湾曲した薄型OLEDディスプレイとウッドパネルのコントラストが印象的な室内。

その魅力は外観だけにとどまらない。

上質なウッドとレザーを贅沢に用いたコックピットの造形は、ミッドセンチュリーの家具のようなモダニズムと落ち着きが漂う。

一方、ドライバーを囲むように展開する合計38インチのデジタル・ディスプレイには最新のインフォテイメント・システムを装備。加えてヘッドレストなど36カ所にスピーカーを内蔵するAKG製の3Dサラウンドシステムの音響環境も素晴らしく、快適な移動空間を演出する。

また先代に比べて120㎜延長されたホイールベースのおかげもあり、3列7人乗りのシートはたっぷりと座り心地の良い座面でどこも快適。またセンターコンソール内に備わった冷蔵機能をもった大容量ボックス、開放感にあふれたグラスルーフ、そして最新のセーフティー・デバイスも充実している。

各部をブラックアウトした「スポーツ」のほか、クロームグリルがエレガントな「プラチナム」の2タイプ
ラインアップは、各部をブラックアウトした「スポーツ」のほか、クロームグリルがエレガントな「プラチナム」の2タイプ。

もちろん6・2リッターエンジンはパワフルで、乗り心地も上等。

雪道や悪路など走る場所を選ばない逞しさと、至れり尽くせりの装備と室内空間は、まさに地上を走るビジネスジェットと呼ぶにふさわしい。

●GMジャパン・カスタマーセンター TEL0120-711-276

※『Nile’s NILE』2021年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

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