キャデラックが上質の代名詞になってから、ずいぶん経つ。
米国では、安全装備や燃費技術を、エッジの効いたボディースタイルに収めたキャデラックのプロダクトは、知性的と受け止められている。
日本でも、だんだん、キャデラックの真の価値が認められるようになってきた。2021年1月15日に日本でも導入が発表されるSUV「キャデラックXT4」も、環境性能と運転の楽しさをともに自動車に求める声に真正面から応えたモデルとして、注目に値する。
米国ではどんどんユーザーの年齢が若返ってきているというキャデラック。一度でも、今のラインアップを体験してみると、先鋭的な感覚のユーザーを満足させるに足る内容であると納得できるはずだ。
全長4605ミリのボディーに、2リッター4気筒ツインスクロールターボエンジンを搭載し、9段オートマチック変速機を介して4輪を駆動する。
最高出力169kW(230ps)というパワーでドライブの喜びを味わわせてくれるともに、「世界初」とメーカーが謳うたう「3ステージ・スライディング・カムシャフト」を採用。低負荷時は、4気筒のうち2気筒のバルブを開かず、燃費をかせぐ画期的な機構なのだ。
4WDシステムは、後輪左右、別々にクラッチを設けているのが特徴。すべりやすい路面や悪路で片輪がスリップしても、駆動力が失われないようになっている。
悪路でなくても、常に4輪を駆動するため、操縦感覚は力強く感じられるだろう。前輪が車体をひっぱる場面もあれば、後輪が車体を押す場面もある。それらの働きがうまく制御され、スムーズなドライブを実現しているのだ。
内装も、姉貴分にあたるSUVのXT5同様、質感が高い。いわゆるヨンクなので、機能が重要な一方、快適性でもぬかりはない。
長い距離を快適に疲労少なく走れることをめざして、高い静粛性、あたりのやさしい乗り心地、造りのいいシート、そして上質なオーディオシステムなどが備わる。
たとえば、8インチの大型タッチスクリーンで操作できるBOSEのサラウンドサウンド13スピーカーシステムは、音楽を旅の友とする人には、またとない装備のはず。
全車速追従機能つきのアダプティブクルーズコントロールをはじめ、歩行者対応ブレーキ、後方オートマチックブレーキ、レーンキープアシストなど、安全装備の充実ぶりも枚挙にいとまがないほどだ。
XT4(なかでも「プラチナム」と「スポーツ」という上位2グレード)は、多くの装備が標準だ。買いやすいと思って、カタログを調べると、予想をはるかに超える金額を支払う必要があることが分かってがくぜんとするが、キャデラックXT4では、そんな心配も不要だ。
いまのキャデラックは、豊かな人のものというより、豊かな生活を求める人のためのクルマなのだ。
●GMジャパン・カスタマーセンター TEL0120-711-276
※『Nile’s NILE』2021年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています